ウィキメディア財団インターンの話、「その0」と「その1」の続きです。
インターンシップにメールで応募したあと、2週間ほどして、選考のための課題が与えられました。 課題内容は、インターンで行うことに関連した、Wikilyticsという特定のソフトウェアの拡張プランを出すことでした。その後、課題の回答についてと仕事や人物について互いが確認をするための面接を Skype で行いました。
この過程で、ウィキメディア財団で働くことがどんな感じになりそうかを掴むことができました。早い段階で(その気があれば応募前から)仕事の細部と全体像が分かるというのは、大きな安心感があります。作られているコンテンツやソフトウェアがほぼすべてオープンな、ウィキメディア財団のような組織で働くことの魅力の一つだとも思います。
2011年3月中旬:課題
課題は、大雑把には、実装まわりですぐに直せる不具合や改善点を見つけることと、設計意図を踏まえてどういう方向性の機能追加の提案をするかを述べることでした。まず、元のソフトウェアを動かし、ソースコードを読んだ上で、それぞれ提案する処理の手続きを擬似コードで書きました。提案する処理の概要と、性能の見込みなども文章で書きました。
ただ、Wikilyticsという改善対象のソフトウェアがかなり計算リソースを要求するものであり、自分の手元では(東日本大震災直後の停電が続いていたこともあって)定められた期間では十分に元のソフトウェアを試すことができなかったので、1週間ほど延長をお願いしてなんとか終わることができました。
Wikilyticsはソースコードとドキュメントが、この面接とは無関係に既に公開されていました。企業の面接だと、少なくとも最初の時点では企業内で作っているソフトウェアの内部を実際に見る機会は少ないと思います。トイプロブレムではなく実物で互いの技術を見られるというのは、オープンソース、オープンコンテントで活動している非営利組織に応募する場合ならではじゃないかと思います。
2011年4月上旬:Skype面接
面接のインタビュアーは、この夏のインターンチームを率いるうちの一人となる Diederik van Liere でした。 カナダのトロント大学ロットマンスクールでポスドクをしたあと、データ分析コンサルタントとしてウィキメディア財団で常勤職員をしています。 多くのウィキメディア財団職員とは違い、本拠地サンフランシスコには住んでおらず、カナダのトロントから遠隔勤務しています1。
面接ではまず、先立って提出した課題に書いた提案事項についての話があり、あらためて口頭で自分の提案について簡単に説明しました。その後、擬似コードを見ながら、細部の質問に答えていきました。
その後は、チーム内でどういう位置を占めたいかとか、なにをやりたくて志望しているのかとか、などを聞かれました。この辺は典型的な質問でもあり、カバーレターを頑張って書いてあったので、だいたいそこにあるとおりに答えました2。
最後にこちらからの質問として、アカデミアと企業とウィキメディアを比べてどう思うか、と質問したところ、答え(の一部)はこんな感じでした。
- ウィキメディア財団のようなサービス運営組織だと、アカデミアよりもじかにユーザーにインパクトを与えられることがいい。
- ユーザーが求めていることを的確にタイムリーにやることが第一。技術面で大きく革新的なことをやりたければ、企業の研究開発部門や大学のほうがいい。
- 皆が「自由な知識を世界に届ける」というミッションを意識して、私欲なく頑張っているので、ボランティアも含めて一体感があり、働いていて気分がいい。
この答えは自分が考えていたこととぴったりだったので、安心できました。
2011年4月11日:採用通知
この日に採用を通知されました。それまでに知らされていた予定ではこの日には次の段階について知らせる、となっていたので、驚きました。よほど人が集まらなかったのかなどと邪推しましたが、給料はそれなり (月 3,000 USD と住居費) 3なので、待遇としてもそれほどひどいことはないだろうと思い、お受けすることにしました。
次はビザと家探しなど、開始までに準備したことについて書きます。
