1. ウィキメディア財団で研究インターンをする:その1 応募まで

    ウィキメディア財団で研究インターンをする:その0 はじめに」というようなことを背景として、まず、インターンに応募し採用されるまでを書きます。筆者は、応募当時、ウィキメディア財団の関連プロジェクトで(それほど熱心でないながらも)3年活動経歴があり、情報系の博士課程の大学院生でした1

    分からないなりに「米国での仕事への応募の定石」を調べてそれに沿ってやったので、誰かの役に立つかも、と思いちょっと細かいところから書いてみます。

    2011年3月上旬:応募

    “Quantitative Research Fellowship” と題された募集があることを wiki-research-l の過去ログを見ていて発見しました。応募締切まで1週間もなかったので、この時点でかなり焦りながらも、必要書類である、カバーレター、 レジュメ (CV)、博士論文の要約などを書き始めました。 (なお、CV は以前作成したものを一部流用できたのであまり時間はかかりませんでした。志望動機などを書くカバーレターは当然ながら使いまわしがきかないので、ほぼすべて書き直しました)

    募集時期について少し加えておくと、自分が気づくのが遅すぎたというのは置いておくとしても、このウィキメディア財団のインターンの募集はマイクロソフトなどの大企業と比べると告知からの猶予がかなり短かかったように思います。大企業は長年、定期的に募集をかけており、北米だと毎年1月前後が応募の最盛期だと聞きます。ウィキメディア財団のような小規模な組織の場合は、組織内の資金繰りの見通しがつきにくいこともあって、インターンシップの募集は不定期だったり大企業より遅かったりするのかもしれません。そもそも、このインターンシッププログラム自体がウィキメディア財団にとって初めての試みだったという事情も大きいと思いますが。

    それぞれの書類について、そもそも何を書くべきかということろから調べながら書きました。そのときのメモを以下で一通り説明します。

    カバーレター / 2ページ

    自己紹介と募集されている job description への興味とを伝える手紙です。 論文を書くときにも吟味しろと言われるイントロダクションと同じように、自分の第一印象を決める部分であり、時間をかける価値はあると思います。 こうした手紙の書き方になじみがなかったので、文例をググりながら書き、研究室の留学生P君に何度か添削を頼みました。 正味でかけた時間はおそらく一番長かったと思います。 ここは、 job description がないとか、研究できる人でさえあればテーマは応相談、というようなインターンシップだったら、もっと比重が弱いかもしれません。

    カバーレターで重要とされているのが、職位で求められていることと自分の経歴やスキルとがいかに適合しているかを説明することだそうです。 細部には立ち入らず、ややメタな視点で、自分のどこが売り込みポイントかを端的に言うのが良いとされています(詳細で客観的な経歴はCVに書く)。 長さには諸説があるようですが、米国の慣習では短くて4段落長くて10段落(2ページ)といったところのようでした。 ほかにもネット上を探すと、長すぎても人事の人をつかれさせるだけなので要点をまとめよう、ただし素っ気なくならないようしよう、というアドバイスをよく見かけました。ただ、これはどういうところに応募しようとしているかにもよると思います。短くすべき、というのはおそらく大企業では正解ですが、小規模で知名度が(まだ)あまり高くないインターンシップの場合は、受け取る手紙の数はそれほど多くないはずなので、やや長めになってしまっても興味や意欲をアピールすることを書くならそれほど嫌がられないのではないかと思います。

    自分の場合はウィキメディアコミュニティでの経験に触れるようにと指定があったので、そうしました。この辺はボランティアと深く関わるウェブ組織のウィキメディア財団らしいかんじがします。P君に査読をしてもらったときに、「このコミュニティでの経験の部分はふくらませて動機にむすびつけたほうがいい、そして個人的な思い入れを文章中の早い時点で書いたほうがいい」と指摘され、そのように直しました。結果、意気込みが伝わりやすくなったと思います。

    レジュメ / 2ページ

    学歴、職歴、受賞歴、スキルなどを書く書類です。 書式はさまざまありえて、とくに学歴や職歴の欄に、一つ一つの仕事や経験の中身をどれだけ書くかが悩みどころでした。一番短い形式では所属だけを書き、長い形式では、どこで何をどの程度の量・規模でやったのか、特にどんな貢献をしたかまで書くようです。 間をとって、所属+プロジェクトの名前+もう二言くらいで説明、というあたりがいいかと思って、そうしました。 http://jblevins.org/projects/cv-template/ を使い、TeXで組みました。 発表文献や受賞歴は日本国内の日本語のものが多かったので、英訳を付記して書きました。英語圏で知名度のない学会や賞にどれだけ意味があるか分かりませんが、書いて損するものでもないと思います。公式英語名称はないこともあるので、検索されたときに引っかかるように日本語名も書いておくべきだと思います。

    博士論文の要約 / 1ページ

    論文のイントロダクション部分のつもりで書きました。おそらく研究をちゃんとやっているということを伝えるべき文書だと思ったので、基本的にはあまりインターンの内容との親和性は意識せずに、そのまま書きました。一言だけ、自分の研究は文章訂正に応用できるのでウィキペディアの知的スペルチェッカとして組み込むことは将来の展望として有望かもしれない、というように触れました。

    次のポストでは面接などについて書きます。


    1. ちなみに書いている時点では求職中です 

     
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